カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 今年のお盆は、コロナ禍もあって誰も帰省して来ません。そこで、お盆のど真ん中だった8月15日(コロナ禍で、なんだかいつもと違った終戦記念日でしたが)に、せめて近間にドライブに行くことにしました。
梅雨明け後は一転して正に酷暑ともいうべき猛暑の日々。あろうことか、“爽やか信州”であるべき松本で、この日38.1℃を記録したのです。40数年前の京都での学生時代に、真夏の京都で生まれて初めて38度台の暑さを二日連続で体験したことがありますが、まさかこの信州松本で自分の体温を超える気温を体験するとは思いもよりませんでした(記録上は昭和17年に38.5℃を観測していて、史上2番目の暑さだったとのこと)。そこで、本当はナナとコユキも一緒に連れて行きたかったところですが、炎天下での散歩を避けるべくワンコたちは涼しい部屋でお留守番。我々だけで出掛けることにしました。
そういえば、昔軽井沢の喫茶店(今風に言えばカフェでしょうか)のママさんが、真夏の炎天下で焼け付いたアスファルトの上を犬連れで歩かせて平気で散歩している観光客の連中の気が知れないと怒りまくっておられましたが、でもその通り。真夏の焼けたアスファルトを歩かされると、ワンコたちは肉球を火傷してしまいます。犬連れをファッションとして真夏の旧軽を連れ歩かれるワンコたちにしてみれば受難でしかありません。また、アスファルトからの熱の反射を大人よりまともに受ける小さな子供たちもまた然り・・・です。

 閑話休題。さて、松本市と上田を結ぶ国道254号線にある2500mの三才山トンネル。鉄道や高速道路は大きく迂回していることから、群馬県と長野県中部とを結ぶ大動脈でもあります。
定年までの4年間、上田への通勤路として毎日利用しましたが、例えば群馬県に工場の在るスバルの新車を運ぶトラックが頻繁に走っていましたので、信州中部や飛騨でも人気のスバルの車は、全てこの道路を経て運ばれているのかもしれません。
1976年に開通したその三才山トンネルが、今年の9月1日に漸く無料化されることになりました。

 今回特に目的もなく、結果行ったところは上田市の柳町。江戸時代の北国街道の宿場町の名残が残る街並みで知られていますが、上田に勤務していた時にも来たことが無く、一度来たいと思っていました。
松本同様に上田も猛暑でしたので、炎天下ではなく上田の中心街である海野町の屋根付き駐車場に車を停めて、先ずは駐車場の対面にあった海野町のレストランで昼食です。そこは“町の洋食屋さん”という雰囲気の「ビストロ椎菜」。お盆でも客は我々だけでした。店イチオシというローストポーク丼をオーダー。初めてローストポークを食べたのですが、奥様が、
「これなら、ウチの低温調理器でも作れそう」
レストランのレジで柳町の場所を聞くと、親切に地図まで書いて教えてくださいました。“おもてなし”に感謝です。
 柳町までは、歩いて10分程だったでしょうか。しかし、この暑さ!アスファルトからのうだるような熱気で、気持ちが悪くなりそうです。「こんな猛暑の中を(観光で)歩くものじゃない!」と理解できたのが、この日一番の収穫でしょうか・・・。
さて、柳町は名前の通り柳が植えられていて確かに風情がありましたが、“江戸情緒”という意味では奈良井や妻籠の方が良いかもしれませんし、観光的には意外と客商売の店舗数が少なくて、むしろ松本の中町の方が色々な店が並んでいて街歩きが楽しめる気がしました。
途中、発芽そばの「おお西」の本店がありましたが、若い頃、上田の会社から頼まれて制度説明に上司と一緒に諏訪からお邪魔した時に、社長さんに昼食に連れて来ていただいた店だったことを思い出しました。
 「そうか、あの時の蕎麦屋さんはここだったんだ・・・。」
もっちりした発芽そば以外に十割蕎麦もあり、国宝の八角三重塔で有名な別所の安楽寺の上にも支店があって、以前母方の叔母にせがまれて念願だったという無言館の見学後、支店に食べに行ったことがありました。今回は昼食直後でお腹も一杯のため、残念ながら食べられず・・・。
せっかく柳町に来たので、この街に相応しい、江戸時代から続く創業350年という酒蔵に寄ってお酒を買うことにしました。近年では女性(社長)杜氏で人気の、「亀齢」で知られる岡崎酒造です。
酒造米や醸造の違いにより、幾つか種類が並んでいましたが、個人的にはフルーティーな吟醸酒よりもすっきりとしてキレのある純米酒が好きなので、地元長野県の酒米の一つである「ひとごこち」を使った亀齢の純米を自分へのお土産に購入しました。
 余りの暑さに上田城には回らず、車に戻って帰路の途中にある塩田平へ向かいます。来る時に、先に生島足島神社に寄ってお参りを済ませてありますが、帰りは家内が行ってみたいという、塩田の古安曽にある発芽コーヒーの店に寄ってみることにしました。
その店は塩田から前山寺を経て別所方面へ抜ける道沿いで、古安曽神社のすぐ近くにありました。それは「カフェ・スプラウト」という名前の喫茶店。
世界初(特許取得済み)という「発芽コーヒー」の販売と喫茶の店(塩田にあるイミーという会社の直販・喫茶部門)で4年前にオープンしたそうですが、お店の説明文をそのまま借りると、
『発芽珈琲とは、生豆を発芽させて焙煎した今までにない世界初の新しいタイプのコーヒーです。
発芽された豆は従来のものより栄養成分が高くなります。特に女性に嬉しいアンチエイジングや糖尿病や動脈硬化などの予防も期待できるナイアシンが3倍も増えるのです。
また発芽をすることで“えぐみ”がとれ口当たりがまろやかなでコクのある、飲みやすい珈琲に生まれ変わります。』
とのこと。
その日は、当月のブランド「コロンビア」とイミーブレンドの二種類のコーヒーとデザートや食事類が提供されていて、私メはモカが飲めなかったのでコロンビア、奥様はモカパフェをオーダー。
発芽コーヒーは確かにまろやかですが、コクは余りなく、ストレートがお薦め。ミルクを入れるとむしろ物足りない気がしました。因みに、二杯目のお替りが+200円ととても良心的でした。
テラス席もあったので、涼しくなる秋になったら、今度はワンコたちと一緒にまた訪れたいと思います。

 それにしても、猛暑の炎天下では、登山やトレッキングなどはいざ知らず、観光での街歩きなどはするものではない!・・・ということが良く分かった一日でした。

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