カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 箱根滞在での我々(“海無し県”の人間にとって)の一番の楽しみは、小田原漁港で新鮮な海鮮を食べることです。
“天下の嶮”の箱根は山の中というイメージもありますが、箱根(仙石原)から小田原までは僅か30分。小田原(早川)漁港は、伊豆半島を挟んで反対側の沼津漁港に比べれば規模は小さいものの、相模湾も駿河湾もどちらも日本三大深湾(残る一つは富山湾で、こちらもキトキト)で、生息する魚介類の種類が豊富。特に沼津は深海魚が有名(西伊豆などのタカアシガニも深海に生息)ですが、相模湾も、例えば伊豆稲取などのキンメダイは水深200~800mに生息する深海魚です。
最初2年前に初めて小田原漁港に行った時は、魚市場の2階にある市場食堂で食べた(第1563話)のですが、二度目の昨年は、水産物仲卸業者直営という漁港隣の「やまや」へ(第1653話)。ここで食べた地魚の海鮮丼(どど丼)が新鮮プリプリで絶品だったので、今回も漁港の無料駐車場に停めて「やまや」へ向かいました。
すると「本日臨時休業」の貼紙が・・・。他店では、「やまや」の入っているビル「小田原水産会館」の同じ一角にある鰺専門店「大原」(アジフライの評判店の由)は行列で、ナント一時間待ちとのことでこちらも諦め。
どうしようかと迷っていると、「やまや」の2軒隣に「港のごはんやさん」という食堂を発見。覗くと小上がりが空いていてOKとのことで、そこで食べることにしました。
 こちらはひっそりと目立たない地味な店構えだったのですが、お客さんは皆さん殆どが漁港に来られた地元の業者さん方の様子。どうやら観光客相手というより、むしろ漁港関係者の方々が早朝から食事をされる食堂の様で、それなら地元の方々に信頼されているという意味で、味に間違い無いでしょう。
お店はテーブル席と小上がりの座卓の席があり、厨房も接客も全てご婦人3名で対応されていて、接客をしながら常連さんの漁港関係者の方々と世間話をされていました。メニューは海鮮以外に、常連さん向けであろうカレーやトンカツ、生姜焼きやそうめんなどの普通の食堂メニューもありましたが、地元の方々はいくら新鮮でも毎日魚では飽きてしまうのか、却って普通の食堂のメニューの方が好まれるのかもしれません。しかし“海無し県”信州からの我々としては、その日のお薦めの中から私メと長女がシラス丼と鯵のセット(1800円だったかな)で、光物の苦手な奥さまは今回もミックスフライをチョイス。

シラス丼は結構大きな丼に釜揚げシラスがびっしり。その敷き詰められたシラスの絨毯の下に、でんぶの様な白身魚のそぼろに青のりとごまの混ざった塩味のふりかけがご飯の上に散らしてあって、ほんのりと塩味があるので醤油を掛けなくてもそのまま食べられます。むしろ醤油を掛けると、シラスの繊細な旨味が、醤油の強めの塩味に負けてしまうのかもしれません。
そのたっぷりのしらすはフッワフワ。そして、アジの刺身は新鮮で、弾力さえ感じる程にプッリプリ。三枚に卸して半身毎に揚げられたアジフライは些か小ぶりでしたが、こちらもフワフワでサックサク。アジとイカ、2尾のエビのミックスフライは、家内曰く、特にエビフライは今まで食べた中で一番の美味しさだったとか(エビは相模湾産ではないと思いますが・・・)。
たっぷりのシラス丼は、私メは当然完食ですが、娘は食べきれずにシラスは家内が手伝って食べましたが、結局ご飯は全部食べ切れませんでした。
個人的にはシラスより「やまや」の地魚の「どど丼」の方が好みなのですが、こちらの「港のごはんやさん」のアジの刺身もフライも絶品で、観光客相手の他店の様な行列も無く、地元の方々に愛される穴場の“食堂”でした。光物が苦手な家内は、むしろこちらのお店の方が気に入った様子。個人的には、あの名物どど丼を娘にも食べてもらいたかったところではありますが・・・。でも、さすが小田原で、どこで食べても新鮮で旨い!特にプリプリのアジの刺身は、残念ながら信州ではお目に掛ったことが無い程の新鮮さでした。
 「とても美味しかったです。ごちそうさまでした!」
満足、満腹でお店を出て、隣にある「小田原さかなセンター」に行って夜の食材を買って帰ることにしましたが、「まぐろや」の薦め上手なお兄さんに言われて女性陣が今回購入した鮪ガーリックたたきと本マグロの赤身、どちらも冷凍モノで値段は決して安くは無かったのですが、ナルホドどちらも旨かった!さすがは小田原漁港!と、こちらも納得した次第。