カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 7月下旬に東京に行った際の、都内で電車での移動中のこと。

 新宿へ向かうために、神田から快速へ乗りました。
家内のために、空いていた席を勧めたところ彼女は、
「私はイイから・・・」
と若い女性に譲ってしまいました。

二人で立ちながら小声で家内に、
「オマエの方が、お年寄りジャン!」
「・・・だって彼女、“就活生”さんだから・・・」
「えっ?」

言われて見れば、確かに白いブラウスを着て手に黒いスーツの上着を持ち、きっと暑い中を駅まで急いで来たのでしょう。噴出した汗をハンカチで拭いながら、次のアポへ向かうのか、手帳を盛んに見ています。

「まるで娘を見ているようで、何だかヒトゴトと思えなくて・・・。」
「・・・、そっかぁ・・・」

 まだ、娘の大学でも、就職課(キャリアセンター)によれば6月末時点での内定率は6割だとか。女子学生は更に厳しいと言います。

 娘からの連絡に一喜一憂し、どうか希望が叶うようにと、咲く花に、神社にと、遠く離れて願を掛けて祈るしか無かった我々です。
時に落ち込んで夜中に電話を掛けてくる娘を叱咤激励してきた家内としては、身につまされるような気持ちで、少しの移動時間でも座らせて休ませてあげたいという、まるで彼女の母親のような親心だったのでしょう。
母親って偉いなぁ・・・。痛く感心した私メでした。
「みんな負けるな!」
       
 秋の内にスンナリと決まった長女の時とは違い、超氷河期の波をモロに被り、3年生の秋から6月まで半年以上にも及んだ次女の就職活動。

 幸い彼女も“就活”に終止符を打つことができました。
何もしてやれなかった親としてはホッとしながらも、第一希望では無かった彼女に、
「本当に行きたいところがあるんだったら、留年して来年またチャレンジしてもイイんだぞ!」
と、今年よりも景気も上向く筈と言った私に、
「こんなクダラナイこと、二度とやりたくないっ!」
と、日頃は甘えん坊にしか見えない彼女が、真剣に“掃き捨てた”言葉。

 確かにその通りなのでしょう。
企業の身勝手な論理と、ある意味理不尽さを、企業人の一人として、そんな学生さんたちに本当に申し訳ないと思いつつ、その間お互いに心配し励まし合ったお友達と、そして支えていただいたゼミの先生に心から感謝しながら、
「どうか、皆さんも負けずに頑張ってください!」

 この炎天下、黒いリクルートスーツを着て道行く彼女たちに、そんな想いを投げかけてあげることくらいしか出来ませんでした。

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