カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 最近、松本でも庭木として金木犀が植えられているのを時々見かけます。
見かけるというより、10月くらいになって、どこからともなく香しい芳香がして、周囲を見渡すと金木犀が植えられていた、という感じでしょうか。
 写真は、母屋への通路沿いの、お隣のお宅に植えられている金木犀。オレンジ色をした米粒ほどの細かな花が満開を迎えています。
金木犀は花木としては見て楽しむ木ではなく、香りを楽しむ木。そのためか、目立つ所ではなく、庭の隅などにひっそりと植えられていて、どこからか風に乗って芳香が漂ってくる感じがします。
そういう意味で、花の咲いた時以外は目立たぬ可哀想な木ですが、この時期だけは周囲の耳目ならぬ“鼻目”を集めて、小さな花も心なしか誇らしげ。

 少なくとも、子供の頃の記憶の中にあの香りは出てきませんので、どちらかと言うと西日本などに多い暖地系の木だと思っていましたが、これも温暖化と関係があるのか、信州でも最近は時々見かけるようになりました。

 私が、初めて金木犀の香りに出会ったのは、京都での学生時代。
合唱団の部室があった、学内の古びた「学生会館」への通路沿いに、3メートル近くもありそうな金木犀の巨木?があり、10月になると(京都ではもう少し遅かったように思いますが)むせ返るような芳香が周囲に立ち込め、初めて金木犀なる存在を知りました。

 私にとっては、「青い檸檬の味」ではなく、「甘酸っぱい」ような金木犀の香りが学生時代を思い出させてくれる、言わば「青春の香り」です。

10月、何となく京都の街中が金木犀の香りに包まれていたような印象があります。

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