カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 年末の仕事納めの12月28日。
毎年恒例の納会を欠席し、親戚の急なお通夜に顔を出してからの帰宅途中。携帯が鳴り、家内が階段を2段踏み外して落ちて動けないとのこと。
慌てて戻ると、何とか自力で移動してきたようで、薪ストーブの前で横になっています。チロルとナナも心配そうです。
すぐにネットで調べて緊急医を予約したのですが、朝まで様子を見たいと言うので2階のベッドまで負ぶって行ったものの、29日の未明に起こされて、今度は我慢できないとの仰せ。
そこで慌てて電話をして近くの信大病院の緊急外来へ。車中で言うには、夜中にも頼んだら、私メは「ちょっと待って・・・」と言ってまた寝てしまったのだとか。そりゃ失礼。でも、「だったら起きるまでちゃんと起こせばイイジャン!」と言い合いです。ま、このくらい元気なら大丈夫・・・かな?

 ところが、あに図らんや。
レントゲンとCTによる検査結果は見事骨折で、早く直すためにも手術した方が良いとのこと。簡単な手術だそうですが、信大では年末年始ですぐに対応できないため、同じく救急救命センターのある相澤病院(「神様のカルテ」の舞台「本庄病院」です)へ朝になってから転院させるとのことで、救急車で移送していただきました。こちらは先に出向いて入院手続きを済ませ、到着後の再検査の後で担当医に話を聞き、午後親戚の葬儀に参列し、夜また病院へ。何とも慌しい一日でした。
(写真は、相澤病院の病室から見た、松本の市街地越しに望む新春の常念岳始め北アルプス。病人も元気が出そうな風景です)

 30日は朝一番の手術で、手術室に見送り、慌てて戻って一人大掃除の開始です。窓拭きから始めて、途中病院へまた行って担当医に術後の説明を受け、また戻り窓拭きを再開し、夜また様子を見に病院へ。
翌大晦日は、朝から煤払いと全フロアの掃除機掛けの後は床拭き。分刻みのスケジュール設定で夕刻漸く終わり、今度は親戚が届けてくれた松を母屋の玄関と神棚にも飾り、買って来た鏡餅も神棚に供えて、ギリギリ何とか新年を迎える準備が整いました。ふ~っ。

 家内も子供たちもいない大晦日・・・。
母は、暮れも押し迫っての突然の親戚の不幸や骨折騒ぎで、今年はそれどころじゃないからと言いますが、そうは言ってもと、信州松本の“年取り魚”、鰤を二切れだけ買って来て、煮付けは時間も掛かることから、簡単にブリの照り焼きにして母屋の3ヶ所の神棚にお参りをして、母と形ばかりのお年取り。
その後、一人なのでクラシック三昧で、最後は金聖響さん指揮での東フィルのジルベスターコンサートを聴き、カウントダウン恒例のボレロの4秒早いエンディングに些かズッコケましたが、「色々災害のあった2011年から、一秒でも早く希望の新年を迎えたかったからですよね!」という司会者のナイスフォローがあって、「確かにそうだよなぁ・・・!」。
ベランダに出て、室内に飾った「年暮る」同様に凛とした空気の中に響く除夜の鐘を聞きながら、最後に来て色々ありましたが「これで我が家の厄落としは全部終わりかな・・・?」と、独り行く年の感慨に耽ります。

 今年は帰れないと言っていた娘たちも、家内の骨折騒ぎを心配して一泊ながら元旦に帰省して来て病院へ。元気そうな顔を見て娘たちも安心したようで、夜は親戚の叔母が打ってくれた恒例の年越し蕎麦を一日遅れで皆でいただいて、翌朝には長女が作ってくれたお雑煮を食べて、彼らはまた慌しく仕事に戻っていきました。お陰でちょっぴり正月気分です。いつもはかぶりつきの箱根も今回はじっくりと観戦も出来ずに病院へ。

 毎日、「あれが欲しい、あれ持って来て!」。病室では、「あれ取って、それ取って!」と、次から次へと繰り出されるリクエストに、(全快の暁には、と心に秘めつつも)今回ばかりは「ハイハイ」と素直にお応えしながら、手術翌日からリハビリが始まり経過も順調とのことで、1月9日には無事退院することが出来ました。やれやれ・・・。
病院で、お婆ちゃんの車椅子を優しく押す腰の曲がったお爺ちゃんや、その逆のお年寄りのご夫婦を見るにつけ、これは(どちらが先かはともかく)我が家に神様が与え賜うた近未来の老々介護への試金石かなと、想いを新たにします。

 元旦恒例の初詣も、長女は明治神宮へ、次女は成田山へ行くからイイと言うので、遅れ馳せながら4日の病院帰りに母と四柱神社へ立ち寄りました。三が日は縄手通りまで並ぶ初詣客の列も無く、いつもの端っこではなく、真ん中の鈴を堂々と鳴らしてしっかりとお参りすることができましたので、年末で我が家の厄も全部落ちただろうし、今年はきっと何かご利益があるかもしれません。
 
 しかし、明けて辰年とは言え、一人竜巻に巻き込まれたような、何ともてんやわんやの年末年始でありました。あぁ、シンド!
これぞ、(家内が)骨折り損の(私メは)くたびれ儲け・・・。
(以上、1ヶ月が経ちますが、今だ松葉杖の奥様からは掲載了承済みですので念のため。昔は重たい木製だった松葉杖ですが、今は軽いアルミ製で使い易そうですね)