カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 お正月、皆さまもおとそ気分でしょうか。お酒もすすみますが、ま、お正月くらいはイイでしょう。
私は、若い頃はどちらかと言うと日本酒よりもワイン派でした。
何も知識が無かったので、1年間の教本付のワインコースを申し込み、毎月取り寄せたりして学習しました。最初は、フルーティーなリースリングからスタートし、最後はシャブリなどの辛口の白ワインが好きになり、その後欧州産から国産ワインへと拡がっていきました(赤の美味しさまでは行き着けず)。
ところが、その後赤道直下のシンガポール赴任中、海外に出て初めて日本酒好きになった(海外に暮らすと不思議と日本のモノが恋しくなり、好きになります)こともあり、帰任後もずっと日本酒党で、尚且つ冬でも専ら辛口の冷酒派です。どうしてもお酒をお燗した時に、酸味のツーンと来る昔の記憶が拭いきれず、本来のお燗やぬる燗の美味しさは(岩魚の骨酒以外は)未だ良く分かりません。
近年国産ワインの品質も向上し、また温暖化の影響でとりわけ信州産ワインの向上は目覚しく、特に桔梗ヶ原メルローは今や世界でもトップクラスとか、また信州の地元ワイナリーでも小布施ワインや城戸ワインは凄く美味しいと聞いても特段の関心も無く、専ら日本酒(冷酒)にいそしんでいます。

 さて、前置きが長くなりましたが、一年前の年末に幾つか地元信州の地酒をいただきました。その後、またいただいたり自分で買ったりしたお酒もあり、良く冷やしてチビリチビリと楽しむこと一年余。ここで漸く、まとめて利き酒記を書くことが出来ます。
ナンセ、お猪口一杯が制限付き一日の晩酌量で、しかも週二日の強制休肝日適用ですので時間が掛かります。そのため、昨秋にいただいた元ボス自作の大き目のお猪口(これだと小さなお猪口2杯分くらい入ります)に替えたのがしっかりバレテました・・・タハ。

 先ず、佐久の無濾過純米『澤の花』。このお酒は初めてでした。
ふくよかな酸味があり、お酒だけではなく、料理と一緒に楽しむのに向いています。以前酒屋さんで食事と一緒に飲むのを勧められた「信濃錦」は、やや酸味が勝ち過ぎていて(昔のツーンとするお酒に近い感じです)、私の好みではありませんでしたが、「澤の花」は良いと思います。

 そして、次は下諏訪の蔵で、最近全国的にも評判を呼んでいる菱友酒造の『御湖鶴』。いただいたのは「初酒生絞り」と「純米」。なかなか入手が困難で、松本では手に入りません。生絞りは限定品で「から木」(第415話参照)でもリストにあったのですが、既に完売していました。生絞りらしくまろやかで飲み易く、気をつけないと酒量が進んでしまいそうです。また65%に精米した純米は、生酒よりも辛目に仕上がっていますが、こちらは爽やかな酸味もありながら更に旨みを感じます。

 木曽薮原の湯川酒造という蔵の、14代ならぬ『第15代九郎右衛門』の純米吟醸ひやおろし。日本酒度が-2度ですので、少々甘めに感じますが、スッキリした吟醸酒。まろやかで口当たりの良いお酒です。何となく、洋食に合いそうな気がしました。
 番外品として、須坂の遠藤酒造の『渓流』。“モンドセレクション金賞受賞酒”に惹かれて購入。純米酒かと思ったら本醸造酒で、アルコール度数何と20度。日本酒度の表記はなし。さすがに20度ありますので濃い口ですが、ただ甘過ぎて、残念ながら自分の嗜好とは全く違いましたが、最近話題を集める北信濃の酒蔵です。
(些か長文になりましたので、2回に分けて以下次回にて)