カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 箱根旅行三日目。
この日は、コユキも一緒に箱根観光です。ワンコOKの箱根の観光スポットの中で、選んだのは箱根園。こちらは、西武系のプリンスホテルが運営する芦ノ湖畔のリゾート・レジャー施設です。
目的は、箱根園から駒ケ岳ロープウェイに乗って、箱根火山の中央火口丘である標高1,327mの駒ヶ岳山頂からの絶景。山頂からは、目の前の富士山は勿論、遠く相模湾や伊豆大島、房総半島などぐるりと360度の展望が楽しめ、また山頂には箱根神社元宮もあります。
また芦ノ湖畔の箱根園には樹齢百年のオオシマザクラの大きな一本桜があって、この時期はその花も楽しめるのだとか。他にもレストランや水族館などの有料施設も色々ある様です。

 因みに、箱根には駒ケ岳ロープウェイの他にも大涌谷経由のロープウェイもありますし、また芦ノ湖の遊覧船も二種類あって(発着する桟橋が異なる)、どちらを利用すれば良いのか(しかもお互いの連携も無いので)迷うのですが、これらは嘗て“箱根戦争”と呼ばれて熾烈を極めた、西武グループVS.小田急を傘下に持つ東急グループの企業間競争の名残の由。

 先ずは箱根園の有料駐車場に車を停め、ロープウェイで駒ケ岳の山頂へ向かいます。麓駅の表示に依ると山頂の気温は一桁とのこと。乗車時間は7分で、ワンコはリュックやキャリーケースなどに入っていれば乗車OKです。
前日の金時山登山では姿を現してくれなかった富士山ですが、この日はくっきりとその山容を望め、次第に高度を上げて行くロープウェイからは正に絶景です。100人程乗れるという駒ケ岳ロープウェイですが、半分以上が外国からの観光客の皆さんでした。
山頂駅からは、一周する遊歩道や箱根元宮への登る道があります。この元宮は、箱根神社の奥宮 として1964 年( 昭和39 年) に西武グループが再建したものだそうですが、元々駒ヶ岳は霊峰富士を望む場所として山岳信仰があった場所とのこと。因みに山頂一帯は、リードを付けていればワンコも散策OKです。
360度の景観は、この時期は少し霞んでいて都心や房総半島は見えませんでしたが、富士山と眼下の芦ノ湖は勿論、相模湾や伊豆大島なども見ることが出来ました。
 ロープウェイで戻り、芦ノ湖畔のオオシマザクラへ。この桜は「箱根園」のシンボルで樹齢百年。開園時に寄せ植えされた5本の幹が上手く育って一本の大樹の様に見え、直径22m、周囲が70mにも枝が広がり末広がりに花が咲き、「湖畔の一本桜」と呼ばれています。例年だと4月末が見頃だそうですが、今年はこの桜も一週間早く開花して、残念ながら既にかなり散ってしまっていましたが、“名残の桜”を楽しむことが出来ました。
 その後、元箱根に移動して今年も箱根神社へ参拝。源頼朝を始め鎌倉時代に関東武士の信仰を集めた関東総鎮守であり、また曽我兄弟ゆかりの神社でもあります。
こちらはカートやキャリーケースに入っていれば、ワンコも一緒に境内だけではなく本殿へもお参りすることが出来ます。境内はペット禁止とする寺社仏閣(特に六道の中で三悪道の一つである畜生道とする仏教では)が多い中で有難いことです。
 わが国では、江戸時代のお伊勢さんや金毘羅さんでは、高齢などで参拝出来ない飼主に代わってお参りする犬の代参が認められていたとか。特に伊勢神宮では、飼い主が代参する犬に道中と参拝に必要な費用を犬に括り付けた「おかげ犬」が実在していた記録があり、
『江戸時代の人たちは信仰心が厚く、伊勢神宮までの長い道のりを懸命に歩く犬をサポートし、寝床やご飯を与えることは自身の徳を積めると考えていて、そうして色々な人に助けてもらいながら伊勢神宮へと辿り着いた「おかげ犬」は、伊勢神宮の宮司さんから竹筒に入ったお札を貰い、再び色々な人から助けてもらいながらご主人の元まで無事に帰ったと言われています。』
とのこと。また金毘羅さんにも「こんぴら狗(いぬ)」と呼ばれた代参犬が存在していました。
 縄文時代にも丁寧に埋葬された犬の骨が遺跡から発掘された例がありますが、もしかすると、古来、日本は現代以上に“Dog Friendly ”な国だったのかもしれません。