カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 8月24日月曜日。晴れ予報に、今季二度目の美ヶ原登山です。今年こそ、山小屋に泊まって北アルプスの初心者向けの山に登りたかったのですが、コロナ禍で断念。そのため、今年は身近な(といってもれっきとした百名山ですが)美ヶ原に季節の移ろいを感じながら登ることにしました。
今回も、いつもの様に三城牧場いこいの広場の登山者用駐車場に車を停めましたが、何と一台だけ・・・。今回は朝の8時と時間が速かったこともありますが、こんなに空いていたのは初めてです。
トイレを済ませ(有料です)、いつもの様に百曲がりコースの登山口へ。前々日松本平に久し振りの夕立があり、上田では全国ニュースになる程のゲリラ豪雨で1時間に50㎜近い雨と、所によっては雹まで降ったそうですが、どうやら山間のこの地も松本の平地よりも雨が多く降ったようで、登山道が川になったらしく、水が流れてえぐられた様な風が見て取れます。

 オートキャンプ場に至るまでの間の登山道。“森の主”の様な大木があり、アザミの花にアサギマダラが留まっていました。秋になると台湾に渡って行くのでしょうか。ガンバレ!と、道中の無事を祈るばかりです。
 広小場で小休憩。ここが標高1580mとのことなので、登山口からは標高差80m足らずの緩やかな沢沿いの道だったのですが、ここからは標高差500m弱(美ヶ原山頂の王ヶ頭が2034m)の本格的な登山となる百曲がりです。
樹林帯の中の九折の登山道を進んでいきます。チャンと数えた方がいて、その数48回とか。ただ、途中かなり急な直登が3箇所程あるので、
 「出来れば、あと数回九折を増やしてくれたら良いのになぁ・・・」
と、ブツブツ言いながらハァハァと登ります。
木々が低くなり、空が開けてくると美ヶ原台上までもう少し。途中、普段はチョロチョロと流れている水場があるのですが、この長雨の続いた梅雨のせいか、結構な水が出ていました。手が切れるような冷たい水で、汗を流すべく顔や手を洗いましたが、「チョー気持ちイイ!」。但し、美ヶ原では放牧がされているので、飲むのは避けた方が良いでしょう。
そこから鉄平石が敷き詰められた、ガレ場の様な歩き辛い登山道を登ると登山道終点の百曲がり園地に到着。広小場で10分弱休みましたが、登山口から3㎞程(ここから数百m先の塩くれ場まで3.5㎞の表示)の道を1時間45分で到着しました。ほぼコースタイム通りでしょうか。
前回6月のシーズン開始で登った時(第1556話)は、湿度が高かったせいもあって、二人とも(特に奥様が)バテバテだったのですが、今回はゆっくりしっかりバテルことなく登ることが出来ました。それにしても、コロナの影響か、平日しかも月曜日だったためか、百曲がりコースには一人の登山者もいませんでした。
 園地の岩場にはマツムシソウが可憐な花を咲かせていて、登り切って疲れた体を癒してくれました。ただ、晴れ予報だったこの日、残念ながら周囲の峰々は全て雲の中。山影を全く見ることが出来ません。
山は見えませんが、園地からはアルプス展望コースを王ヶ鼻目指して歩きます。ここで、初めて何組かトレッキングを楽しむ方々とすれ違いました。
薄紫のマツムシソウ以外でも、ピンク色のハクサンフウロ、白いウメバチソウなど色とりどりの秋の花々が高原を彩ります。残念ながら北アルプスの絶景は見えずとも、道の両脇の高原の中を高山植物を愛でながら歩くのも一興です。
            (ハナイカリ)
            (一面のハクサンフウロ)
            (マツムシソウの花畑)
途中、家内がトイレに行きたいとのことで王ヶ頭ホテルの有料トイレに行くために、展望コースから王ヶ頭への200mの直登ルートへ。すると、電気柵で囲われたお花畑が広がっていて、マツムシソウが満開!薄紫の可憐な花があちこちに咲いていました。期待していた北アルプスの絶景の代わりに、マツムシソウの花畑が迎えてくれた感じです。
但し、翌日の地元紙に掲載された美ヶ原の記事で、長梅雨の影響か、今年のマツムシソウは例年の半分くらいの開花なのだそうです。そうすると、例年はもっと見事な花畑が見られるのでしょうか。
 王ヶ頭から王ヶ鼻に向かいます。この日は山どころか、松本市街も雲の中で全く眺望が利きません。多分、今まで来た中で一番眺望は悪かったのではないでしょうか。そのためか、(本来は)絶景の王ヶ鼻には誰もおらず、我々だけで“二人”占め状態。ここで、昼食を済ませ、早々に戻ることにしました。その頃には、ちらほらとトレッキングのグループや親子連れの方々が王ヶ鼻に来られていました。
帰りもアルプス展望ルートを戻ります。すると、途中雷雲ではないとは思いますが、黒い雲からポツポツと雨粒が落ちてきました。下界は晴れ予報でしたが、カッパを着る程では無いにしてもさすがに山の天気は変わりやすい。
今回も帰りは往路と同じ百曲がりコースを下ります。他にも登山道はあるのですが、広小場からマイナスイオンを浴びながらの沢沿いを歩くこのコースが登りも含めて個人的には気に入っています。
 鉄平石のガレ場の様な登山道は下りも歩き辛いので、滑らぬように気を付けて歩を進め、1時間半で三城いこいの広場の駐車場に到着。
蛇足ながら、駐車場脇にアザミの様な大きな草木を発見。登山道の途中にもありましたが、葉はゴボウの様な葉(裏側が銀色)なのですが、花はアザミ風。これがオヤマボクチで、飯山の富倉そばはオヤマボクチの干した葉をソバのつなぎに使うことで知られていますし、また信州の土産物で山菜の「ヤマゴボウの漬物」として売られているのはこのオヤマボクチの根っこなのだそうです。話としては知っていましたが、登山道で見た花の咲いていなかった植物の
 「これ、どう見てもゴボウの葉っぱだよなぁ~??」
の答えが、花が咲いて大きく育ったこの草木をみて、これがオヤマボクチだったのかと初めて実物で知った次第です。
【追記】
車での帰路。三城周辺でも夕立があったらしく、焼けたアスファルトで雨が蒸発して湯気の様に立ち昇っていて、チョッピリ幻想的でした。

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