カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
箱根湿生花園周辺にはペットOKのレストランが無い(仙石原でテラス席がワンコOKのレストランでは、以前レストランでの飲食だけでも入場出来た星の王子様美術館は閉館、インド料理のアズール・ムーンは、味はともかく非常に不愉快な対応をされた経験あり)ことから、ワンコと一緒にランチを食べるために芦ノ湖へ下りました。
観光地である箱根もご多分に漏れず、ワンコOKというレストランは多くありません。
因みに、何度も繰り返しますが、飽くまで我々がこれまで経験した中ではありますが(長女や奥さまに依ると、米国はNYもLAもどこへ行ってもDog Friendlyで素晴らしいとのことですが)、この国では残念ながら軽井沢以外には“ Dog Friendly ”だと感じた観光地は今のところありません。

ワンコとは芦ノ湖を一望できる開放的なテラス席で食事を楽しめます。しかし、この日は平日ですがインバウンドの観光客でどこも混んでいて、陽気も良いことからレストランのテラス席も30分待ちとのことだったので、一応名前を書いてから他の店も当たってみることにしました。
次の、こちらも湖のほとりにある「ベーカリー&テーブル」も行列が出来る人気店で、1階は自家製のパンが並ぶベーカリーとテイクアウトのドリンクなどが販売されているパーラー、2階がカフェ、3階がレストランになっているのだそうで、ペットを同伴できるのは1階のテラス席なのですが、こちらも満席。
そこで、家内を待たせて、昨年もコユキも連れて入った国道1号線沿いの「箱根唐揚げKARATTO(カラット)」へ席があるかどうか見に行ってみると、まだ空席があって大丈夫そうでしたので、家内を呼びに行って結局今年もこちらで食べることにしました。

この日の店内は外国人観光客ばかりでしたが、カート毎入店して入口近くのテーブルに座ることが出来ました(その後、何組か来てすぐに満席、順番待ちになりましたので、我々はラッキーでした)。
店内にはワンコ専用の水のボールもありますので、コユキとクルミにおやつを上げてから、水も飲んでカートの中で休憩。隣のテーブルに座ったフランス人と思しき母娘(?)のから尋ねられて喜んで承諾すると、お母さんがコユキとクルミの写真を撮っていました。

この店の唐揚げは、ハーブと白ワインに漬け込んだというチキンの下味が独特で、またフィッシュフライも箱根らしくアジを使っているのか(?未確認ですが、通常の白身のタラとは違ったような)フワフワで、チキンは添えられてくる白ワイン漬けというクリームチーズを載せて、またフィッシュ用には自家製タルタルソースを付けて頂くのですが、どちらもとても美味しかったです。

初めて訪ねたのが7年前の秋。そして昨年の春に二度目の見学をしたポーラ美術館。この日は一日雨予報だったので、ヒメシャラの森の1㎞にも及ぶ木道の遊歩道散策は無理ですが、館内でじっくり名画を見て、その後でゆったりと雨に煙る外の森を眺めながら喫茶室でノンビリするのも良いだろうと、この日三度目の訪問になりました。
これまで訪ねた美術館の中では、個人的にはこのポーラ美術館と山種美術館が一番のお気に入りなのですが、例えば広尾の山種美術館などは月曜日が定休日で、以前知らずに訪ねて休館だったことがあった(事前にちゃんとチェックしなかったこちらが悪い)のですが、ポーラ美術館は企画展の開催期間中は無休とのこと。
ポーラ美術館は箱根という観光地に在るので、都会の美術館と違い、箱根には観光で来て滞在日程が限られる観光客にとって(企画展の期間中)無休というのは本当に有難い限りです。その代わり、その企画展が終わると、次の企画展への展示作品の入れ替え作業のために10日間程休館するのだそうです。

しかし、この美術館の魅力はその収蔵作品だけではなく、箱根の国立公園の立地を生かして、ヒメシャラやブナなどの広葉樹林の中に全長約1kmにも及ぶ木道の遊歩道が設置されていて、林間に置かれた彫刻などのオブジェとその見事な大木のヒメシャラの林の中を、風の音と小鳥のさえずりを聴きながら、四季折々、例えばこの時期なら山桜や馬酔木の花と木々の芽吹きを愛でながら散策出来ることです。
ビル街の中に在る都会の美術館では決して味わえない、箱根の仙石原の森に在るからこその贅沢な癒しの時間であり、ここでは絵画鑑賞だけではなく素敵な森林浴をも楽しむことが出来ます。まさに“自然との共生”が実現されているのです。

『近代から現代までの美術家たちが獲得してきた「色彩」とその表現に注目し、色彩論や色を表現する素材との関係にふれながら、色彩の役割についてあらためて考察するものです。チューブ入りの油絵具を巧みに扱い、さまざまな色彩によって視覚世界を再構築した19 世紀の印象派や新印象派をはじめ、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、そして色彩の影響力によって観る者の身体感覚をゆさぶる現代アートにいたる近現代の色彩の歴史を、おもに絵画や彫刻、インスタレーションによって読み直します。』
とのこと。


“色”については、19世紀になってフランスで誕生した色彩論の発展等もありますが、ピカソの「青の時代」の「青」やレオナール・フジタの「白」に関する現代科学に依る分析結果も大変興味深かったです。



そして、スポットライトと組み合わされた「ステンドグラス」の背後の壁に映し出された色彩の不思議な幻影・・・。
「絵を描くことは、終わりのない課題を解き続けること」という坂本夏子女史。何だか“描く哲学者”と言ったら見当違いでしょうか・・・??




坂本夏子、グオリャン・タン始め、展示されている色彩のマジックの様な作品を見ていると、何だか不思議な色彩感覚に包まれるようでした。


また企画展とは別に、今回のコレクション展として、ポーラ美術館が新たに収蔵したというピカソの版画芸術の最高傑作とされる『ヴォラール連作』全100点などが展示されていてこ、ちらも見応えがありましたました。


コロナ禍の影響もあったようですが、クラシックコンサートでも同様に(最近のコンサートでは、カーテンコール時のみ撮影OKという演奏会が都会では増えています)、SNS等で写真を掲載して貰うことで拡散して集客に繋げようとの狙いだそうですが、本当に良いことだと思います。
コンサートホールも美術館も上品ぶって“お高く”留まることなく、(モナリザさえも撮影OKのルーブルを始めとする海外の美術館同様に)お客目線に立って如何に喜んで足を運んでもらうか、更に子供たちも含めて今後のファン層拡大に如何に繋げるか・・・の方が、経営面においても遥かに重要だと思います。
この箱根には「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)」をはき違えた様な、二度と行く気にもならない成金趣味の“これ見よがし”の美術館もありましたが(どうやら有名作品を所蔵していること自体に意義≒自慢に感じておられているのか収集の中心軸がハッキリせず、また展示内容でも例えば重要美術品だという銅鐸や埴輪に考古学的に重要な情報である出土地が記載されていないなど、学術的な作品紹介や時代背景等の解説が不親切だったり、展示品リストの通し番号が展示作品自体には書かれていなかったりとお粗末の一言)、そことこのポーラ美術館とではその精神に雲泥の差を感じます。

地下2階の常設展の展示を見終わり、地下1階の「CAFE TUNE」へ。斜面を活かして、自然光も取り入れられた地下1階とは思えぬ開放的な空間で、天井までのガラス窓が開放的で、その向こうにはヒメシャラの森が拡がるオシャレで素敵なカフェです。

箱根二日目。この日は快晴で、朝ワンコたちと散歩に出掛けながら、
「あぁ、今日金時山に登れば富士山がキレイに見えるだろうなぁ・・・」
と少々恨めし気。奥さまからは、
「だったら、独りで登れば!?」
とつれないお言葉・・・。
そこで今日は、ワンコもOKな箱根の観光スポットに行くことにしました。
キャリーやクレートに入れて顔を出させなければ、箱根登山鉄道もロープウェイもJRや他の私鉄同様に乗車可能なのですが、ホテルから乗るまでの移動が大変なのでパスして、車移動です。
まだナナが元気だった5年前には強羅公園へも行きましたが、公園からの景色や園内のバラなどの植生は見事だったのですが、ワンコ連れには階段が多くてカートだと大変でした。そして、箱根園は駒ヶ岳へのロープウェイも乗ってコユキと2年前に行きましたし、その後箱根神社にも一緒に参拝しています。また仙石原に在る箱根湿生花園には、ナナとコユキで4年前に行き、ドッグカートに入って園内を回りました。
ですので、ワンコOKの箱根のスポットはある程度行っているのですが、今回選んだのは二度目となる箱根湿生花園です。
この箱根湿生花園は箱根町の町立で、日本で初めての湿生植物園だそうです。場所は同じ仙石原の平地に在り、3万㎡の広さの園内の湿原や草原に、約1700種種の植物が四季折々の花を咲かせていて、広い園内には木道などがあって、抱っこするかカートに入れればワンコも入園OKです。こちらは平坦な湿地帯に拡がる植物園で整備された木道もあり、「強羅公園」の様な急坂の傾斜地を活かした公園ではないので、ここならコユキとクルミもドッグカートに入って一緒に散策することも出来ます。






さて、話が前後して恐縮ですが、4月20日から4泊5日で、今年も恒例の春の箱根旅行に行って来ました。
いつものホテルのキッチン付きのドッグヴィラに滞在し、奥さまがお疲れ気味とのことだったので、今回は残念ながら例年は私たちの“登山シーズン解禁”となる金時山登山は諦めて、この旅行では温泉に浸かってノンビリまったり過ごしたいとの仰せ。
天も(“八甲田山”の様には見放さず)奥さまに味方した様で、数週間前までは4泊5日の滞在中ずっと雨予報だったのですが、天も気が変わったのか直前になって雨予報が減って後半だけになりました。
雨の日は元々の予定通り温泉三昧にして外出は諦めることにしますが、例え山は登らずとも、ワンコも一緒なので天気が良いのに越したことはありません。
箱根へは、中央道を大月から河口湖経由で、そこから富士五胡道路と須走道路でと高速を走り、御殿場から乙女峠を越えて箱根の仙石原を目指します。松本からは200㎞ちょっと、3時間の行程です。ワンコが一緒だと車での移動が前提になりますので、一日5時間くらいの運転が適度な移動範囲でしょうか。その意味で箱根は近くて楽です。
昔、若い頃にハワイへ行く家族を送って、松本から成田空港まで往復600㎞を運転して、最後疲れて死にそうになったことがありました。しかし、念願だった熊野古道を歩くために、昨年意を決して行った南紀白浜へは松本から520㎞あったのですが、ACCのお陰で思った程は疲れずに行くことが出来ました。ですので、今や高速道路で行ける場所なら“ACC頼み”で車でも行けるかもしれませんが・・・。
今回初めての旅行になるクルミも後部座席でコユキと一緒にずっと大人しくしてくれて、途中双葉SAで休憩しておやつを食べ、我々も軽くランチです。本当は今回も箱根への手前の乙女峠のFUJIMI CAFEでワンコも一緒にランチ休憩にしたかったのですが、曇っていて富士山も見えそうもないので諦めて、双葉で休憩にして箱根へ直行しました(写真は以前の撮影で、晴れた日のFUJIMI CAFEのテラス席です)。

私たちが初めて箱根に来たのは、7年前の秋でした。
知り合いの方から、使わないからと小田急の株主優待券を譲って頂き、それで(私メの念願だった)小田急のロマンスカーの先頭車両に乗車するのが目的でした。そこでナナを妹に預けて、紅葉が始まっていた11月上旬に、あずさ、ロマンスカー、箱根登山鉄道と乗り継いでの電車旅で来たのが初めての箱根旅でした。
以来、松本からは車だと3時間と手軽に来れることから、ワンコ連れで殆ど毎年の様に春先に訪れる場所になりました。
箱根の魅力は、シーズン解禁となる金時山登山、幾つもの素敵な美術館、そしてグルメ類も色々豊富で、中でも小田原までは小一時間と山の中の箱根は意外と海が近いので、 とりわけ“山国信州人”にとっては垂涎モノの新鮮な地魚が味わえること・・・でしょうか。
4泊5日の中で、移動日を除くと一日自由に使えるのは三日間です。今回は金時山登山はしませんので、朝晩は温泉三昧ですが、昼間はワンコたちと一緒にどこか観光スポットに行って、また雨の日にはノンビリ美術館に行き、そして昨年は大雨で諦めた小田原漁港で地魚の海鮮丼とアジフライに二年ぶりに舌鼓を打ちたいと思います。
ワンコとの散歩で松本城から向かったのが、昨年オープンした築120年の古民家を改装したという「町家カフェ 茶noma」(ちゃのま)です。
ネットで縁側の席はワンコOKという記事を見つけ、日本で一番“Dog Friendly”だと個人的に感じる軽井沢と違って、残念ながら我が松本ではなかなかペットOKという店が少ないことから、初めて行ってみることにしました。当初奥さまは「小昼堂」のテラス席を希望されたのですが、今回は新しいペットOKの店を開拓してみることにしました。
余談ながら、インバウンドを別とすれば、少子高齢化社会の我が国で、これからの観光産業における国内需要を喚起する要諦は、“ペットと老人”を如何に遇するかだと思っています(ですので、是非ワンコOKの店を増やしてください!)。


東京でTV番組制作会社を独立後経営していたという松本出身の70歳のご主人が、それまでこの家で一緒に暮らしていた弟さんが亡くなられ、御年92歳のお母上が一人きりになられたことからご実家に戻られて、“城下町のお休み処”としてこの古民家を活かそうとされたのだとか。ご主人に「宜しければ」と誘われて、家の中を案内頂きました。


麻布台のマンションに居た長女が昨年二月に渡米するまでは、毎月上京しては“ニセ港区女子”を気取っていた家内と、東京暮らしと松本暮らしの話で盛り上がっておられました。
因みにペットは奥庭の縁側ではなく、玄関脇の縁側でのみ同伴が可能とのことで、少々狭くてペットとノンビリとはいきませんでしたので、我々はドッグカートのキャビンを外して前庭の平らな縁石の上に載せて対面する形でドリンクを戴きました。

惜しむらくは、ご主人一人では今は止むを得ませんが、市販の茶菓子ではなく、出来ればいつか奥さまの手作りのスイーツが食べられる様になるともっと良いだろうと思います。

そう云えば、昔会社員時代に電車で諏訪に通っていた時に、休日前急に飲みに行った時は、月決めで借りていた駅裏の駐車場に車を停めたままだったので、翌日の土曜日早朝にチロルとナナと一緒に、お散歩がてら自宅の沢村から松本駅まで3㎞しっかり歩いて、帰路は車でワンコも一緒に帰ってきたのですが、ワンコたちはいつもの散歩コースとは異なる駅までの道を嬉々として歩いてくれたのを懐かしく思い出します。

しかしこちらも凄い人出で、天守閣への入場は3時間待ちとのこと・・・。
(現在松本城では電子チケットが導入されていて、それだと希望する日時で入場可能ですので、GWなど混雑する時は事前にそちらを購入するのがおススメです。しかも松本城も入場料が値上げされたのですが、電子チケットには旧開智学校との国宝二つの共通入場券もあって、そちらだと値上げ前と値段が然程変わらないのでお得です)
やはりGW中は松本市内もどこへ行っても混んでいるので、「小昼堂」のワンコOKのテラスでの休憩も断念して家に戻ることにしました。