カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 冬の寒さの厳しい信州では、多分温暖な地域とは異なり、遅れ気味の春の足音も、ヨーイドンで一斉に駆けて来るような感じがします。       
 花で言えば、梅が綻んだかと思うと桜も咲き出し、やがて梨やリンゴ、そして桃の花と、3月下旬から5月上旬までの一ヶ月ちょっとの間に競うように咲いて行きます。そして季節は若葉、青葉の初夏へと駆け足で向かって行きます。

 咲き誇る花の華やかさに隠れ、花が散った後でないとなかなか目を留めてもらえない木々の芽吹きですが、個人的には、梅や桜より先に春の到来を感じさせてくれる若緑があります。それは、柳の芽吹きです。

 「やはらかに柳あおめる北上の 岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに」

 北国岩手盛岡の北上川の岸辺の柳を想って、故郷の春への郷愁を謳ったであろう石川啄木同様に、冬の寒さの厳しい信州や東北も、花が咲く前に芽吹き、その若緑色が鮮やかさを増した柳の新芽が、漸くの北国への春の訪れを感じさせてくれます。まるで早春の光が宿ったように柔らかで、そして暖かな春色の“青”です。
 さて、320本という松本城の桜も、開花予想通りの4月9日に開花宣言が出されました。松本もいよいよ春本番。
今年も11日から20日まで夕方6時半から松本城外堀の桜並木が「光の回廊」でライトアップされ、今日12日から19日までは「松本城夜桜会」として本丸庭園が無料開放(17:30~21:00)されます。
お堀を埋め尽くす夜桜も見事ですが、雪を頂く北アルプスとお城をバックにした昼間の桜も見応えがあります(写真は2011年のお城と桜です)。