カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 翌朝、家内と二人で早朝ウォーキング。
大鳥居の産業道路を川崎方面へ向かい、多摩川を渡る橋(対岸はもう川崎)の手前にある羽田神社へ。羽田地区の氏神様ですが、場所柄か、空の安全祈願で航空関係者の信仰も集めています。今回も次女の職場と、併せて長女のフライトの安全無事を祈願。

 ホテルに戻り皆で朝食後、披露宴前に美容院に行く娘を送り出し、チェックアウトを済ませて今度は次女の所へ。家事をするという奥さまと別れ、待ち合わせの13時まで正味3時間の自由行動です。そこで、美術館(上野か山種)か新宿のCDショップか決めかねるままJR蒲田から品川で乗り換えるべく乗ったら、京浜東北線で上野直行の大宮行き。ならば上野へと相成りました(速水御舟特別展の「炎舞」と「名樹散椿」にも後ろ髪を曳かれつつ)。

 上野は、相変わらず家族連れやカップルで混んでいます。上野公園の欅が漸く色づき始め、公孫樹はまだ真っ青。信州との季節の差を感じます。
最初に東京文化会館でコンサート情報をチェエクしてから国立博物館へ。すると広場に人だかりで、ステージが作られ売店のテントが幾つも張られて何やらイベントが。どうやら国立西洋美術館がコルビュジエ設計群として世界遺産登録された記念として、コルビュジエ設計の建物がある仏を始めとする国々の音楽がステージで披露され、且つ食べ物も屋台で販売されているようです。ステージ前に並べられたパイプ椅子は満席で周囲には立ち見客も居て、ちょうどベルギーのサックス奏者の演奏するジャズを楽しんでいました。懐かしいナンバーに自然と体がリズムを刻みます。終わってから、気になっていたインドカレーの屋台に並んでタンドーリチキンの串を購入。釜(タンドーリ)はさすがに運んで来てはいないでしょうが、スパイスはそれらしい味付けでした。食べ終わり、気が付くと待ち合わせ時間までに1時間を切っていました。国立博物館では今回禅の特別展が開催されており、雪舟の達磨図(国宝)や白隠禅師の漫画チックな達磨図、狩野探幽の群虎図(重文)、油滴天目茶碗(国宝)などの名品が展示されています。
 「ムムム、シマッタ!1時間では見切れない・・・」
と(都会では他にも選択肢があったが故に)残念ながら諦めて、地下鉄で待ち合わせのコレド日本橋へ。するとLINEに30分遅れとの連絡が・・・「だったら、急げば(展示を)見れたジャン!」とは後の祭り。そこで、待ち合わせ後の時間節約で、日本橋に来た目的の店舗を探します(ご友人への返礼の品を買う出汁の専門店とか)。聞いていたコレド日本橋には無く、通りに出て“お江戸日本橋”を亘りコレド室町の各店舗へ。するとお目当ての「茅乃舎」をコレド室町3に発見。老舗「イ(にんべん)」の日本橋本店(コレド室町1)も混雑しています。和食が世界的に注目され、出汁がその肝とはいえ(京都が軟水だからこそですが)、出汁専門店がこれほど注目されて実際に大繁盛するとは時代変化を感じます(我が家の奥さまは昔から化学調味料を嫌い、昔の田舎の農家の様に味噌汁は必ず煮干しで出汁を採っていますが、先見の明=“周回遅れのトップ集団”と感心しています)。併せて指示のあったランチも場所も含め候補を選択し、準備万端で地下鉄出口にて待ち合わせ。
 「ホンジャ、出汁の店へ行きまっか・・・」
 「ダメっ!お腹空いてもぉ倒れそう・・・ご飯が先!」
との仰せに、候補として江戸前天丼と「北海道厚岸オイスターバー」をご提案(どちらもコレド室町2に入る行列店でした)。
 「昨日の今日だと、天丼はもたれるぅ~!」
とのことで、厚岸牡蠣の店へ(天婦羅同様に油で揚げるカキフライがもたれないという感覚も良く分かりませんが・・・)。
待つ間、「お腹空いた、倒れそう、もうダメ・・・etc」という悲鳴にも似た文句(信州弁で“おんじょこき”と言います)を右から左に聞き流しつつ堪えながら、10人ほどの行列に30分並び漸くテーブルへ。するとサービスランチのメインのカキフライ定食は既に完売とのこと(4個で1,000円とリーズナブル)。そこで仕方なく、ザンギ(鶏カラアゲ)とカキフライ各2個ずつのセット定食(同)を注文し、ブランド牡蠣(生や蒸しでも注文可。残念ながら焼き牡蠣は記載なし)をフライで2個追加。
 暫して運ばれて来た定食セット。たっぷりの千切りキャベツとアサリのお味噌汁が付いています。卓上にはウスターソースのみで定番のトンカツソースは無く、カキフライにはタルタルソースも定食に用意されていますが、牡蠣のエキスを混ぜてあるという店特製の“牡蠣塩”を付けて食べるのがお薦めとのこと。確かに仰せの通り!・・・でした。旨!
鶏カラアゲもさすがにプロ。柔らかくジューシーです。カキフライも大振りで甘さがあります。以前地元デパートの「北海道物産展」で購入した「厚岸牡蠣弁当」の時に、お店の方が「厚岸の牡蠣は一年中採れる」と自慢されていましたが、ここでもセールスポイントとして大書きされていました。
いやぁ、昨日から寿司、串揚げ、カキフライと些か食べ過ぎ(散財もですが)。
 「ま、久し振りだからイイかぁ・・・」
と、むしろ言い聞かせるように自分自身を納得させます。
その後、出汁の専門店「茅乃舎」へ。確か、福岡の田舎の老舗醤油蔵(久原本家)が営む茅葺屋根の和食レストランでの鍋料理に使う出汁が評判を呼び、購入希望のお客さんが後を絶たないことから出汁の販売も始めたと記憶しています。東京ミッドタウンからの出店要請を受け、一気に全国的な人気店になった由(家内が娘にお土産で持たせようとしたら、今や米国でも買えるから不要とのこと)。店内も大混雑(イヤハヤこれ程とは・・・)。
 購入後、長女と合流するために結婚式会場のホテル椿山荘へ。フォーシ-ズンズとは提携を解消しましたが、三重塔などの見事な回遊式庭園を有して国内トップクラスの格式を誇る、藤田グループの旗艦施設(アクセスが悪いのが玉に傷)。この庭園は明治の元勲山縣有朋の屋敷跡であり、「椿山荘」と名付け自ら作庭を行なったのだとか。この日はお日柄も宜しいのか、10組ほどの披露宴でロビーはごった返していました。
新婦は長女の披露宴で幹事を務めてくれましたから、海外から例えトンボ帰りでも参列するのは当然として、少しは恩返しが出来たのでしょうか?
 披露宴に参列した高校時時代の友人との談笑を終えた娘と合流し、買い物をしたいと新宿へ。その後休憩しながら近況報告を受け(無事運転免許も合格した由)、夜は大学時代の友人と待ち合わせと云う娘と別れて、我々は大鳥居に戻り、車で一路信州へ。奥さま曰く、
 「ちょっと食べ過ぎたから、体も財布も暫くダイエットだからネ~!」
 「へ~い、合点承知之助!」