カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 日本シリーズも終わり、ストーブリーグに入ったばかりの11月3日。巨人と日ハムの間で、嘗てのドラフト1位指名選手同士のトレードが発表されました。巨人からは2008年の1位指名だった大田泰示選手、日ハムからは2006年のドラフト1位吉川投手。内海、杉内の左の先発が衰えて田口一人で、今年のドラフトで希望する投手を抽選で外した巨人としては、特に左の先発強化は背に腹は代えられぬ命題だった筈。因みに、吉川投手は2006年田中将大中心にマエケンと同世代の所謂“マー君世代“(この年巨人は堂上を抽選で外し、坂本を1位指名)です。

 大田選手と言えば東海大相模で65本の本塁打を打ち、当時の原監督が自ら抽選で引き当てて55番を背負い、毎年のように大砲候補として期待されてきました。翌2009年(菊池雄星に6球団指名の年)の横浜指名のドラフト1位だった筒香選手(横浜高校で69本)とイースタンの本塁打王を争い(筒香24本、大田21本という年もありました。因みに、今年岡本選手が18本)、筒香選手はご存じ昨年の本塁打王に成長。片や、大田は毎年1軍と2軍の間を行ったり来たり。
しかし、並外れたパワーと身体能力は誰もが認めるところ。HCだったエディ・ジョーンズさんがキャンプ訪れた時、「もしラグビーに転向すれば間違いなく日本代表になれる!」と大田選手のラグビー転向を本気で原監督に直訴したと云います。しかし打席では、内角速球に詰まりファール、最後は外角にスライダーを落とされて空振り三振・・・という姿を何度目にしたことでしょう。落ちる変化球に対応するため、クラウチングスタイルで構えたり、短めにバットを握ったりして、いつしか豪快なフルスイングは消え、フォームもこじんまり・・・。そんな努力や苦労で単打を打って盗塁しても、本塁打を期待するファンは満足してくれませんでした。更に調子が良い時に限って自転車で転んでケガをしたりインフルに掛かったりとズッコケも・・・。
 育てられなかった球団の指導にも問題があったのかもしれませんが、本人も辛かったろうと思います。しかし結果が全ての世界で既に8年経過。同期の中には早々と戦力外となったドラフト1位もいます(例えば、地元松本出身でオリックス1位だった甲斐拓哉)。8年も芽が出ないのに「きっといつか」と期待して待ってくれた球団の温情に、むしろ感謝すべきなのかもしれません。
送り出す球団GMが、「彼を出すのには反対意見もあったが、環境を変えれば大化けするキッカケになるかもしれない。是非FAの権利を取れるくらい新天地で活躍してまた戻って来て欲しい」。
 今年こそと毎年期待したファンの一人として残念ですが、北の大地で名前の様に“泰示(大志)を抱いて”是非開花して欲しいと願っています。