カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 クリタケで終わりだと思った今年の秋の恵み。先日(と云っても11月初旬のこと)、今度は家内のお友達からムラサキシメジをたくさんいただきました。
採ってから多少日にちが経っているでしょうから、やや灰色掛かっていますが、実際に生えている時は本当にキレイな紫色をしています。このムラサキシメジは、欧州でFairy ring(妖精の輪)と呼ばれるそうですが、円を描くように群生(菌輪)するキノコで、特にフランスではPied bleu(ピエ・ブルー=青い足)と呼ばれる高級食材なのだとか。昔、近くの里山にリコボウを採りに行ってムラサキシメジを見つけた時は、薄暗い林の中でそこだけがスポットライトが当ったかの様な紫の“お花畑”で、本当に感動するほど見事でした。

 採るには楽しいムラサキシメジですが、しかし食べるとなると賛否が完全に分かれます。
味シメジと云われる通り美味しいという意見もあれば、このキノコ特有の土臭さ(埃臭さ)で毛嫌いする人も多いのだとか。
以前近くの里山で採れた時も、我が家でも余り全く好かれませんでした。いずれにせよ、土臭さを気にする人が食べ易くするためには出来るだけ濃い味付けにする必要があります(逆に、気にならない人にとっては、むしろムラサキシメジの持つ“繊細さ”を消すことになります)。

 どんな調理法が効果的か、幾つか試してみました。
先ず、オリーブオイルでニンニクをさっと炒め、キノコを投入して十分に炒めたところで粗挽きコショウと醤油で味付け。すると、キノコから思いの外汁(ヌメリ)が出ました。
二つ目は、料理酒と砂糖(若しくはみりん)と匂い消しも兼ねて薄切りの生姜を数片と干した鷹の爪も丸ごと一本入れて、醤油で濃い目に甘辛く炒め煮。こちらは煮詰めたので、あまりヌメリは気になりませんでした。ただ、双方とも土臭さそのものは結果的に消えませんでした。
どちらかと云えば、個人的な味付けの好みではニンニクの効いたオリーブオイル炒めですが、一般的に食べ易いのは醤油の甘辛煮でしょうか。生姜が利いています。但し、双方とも土臭さが消えた訳ではありませんので、気になる方は無理でしょうか。好きな方は鍋や汁もの、スパゲティでも(何でも)美味しいそうですが、う~ん、どんな料理がムラサキシメジを(土臭さを気にせず)美味しく食べられるのでしょうか?そこで、残ったムラサキシメジを干してみました。
高級キノコだというフランスではどんな料理にPied bleuと呼ぶムラサキシメジを食材に使っているのか興味がありますね(土壌の違いで匂いも違うのか)。やはりシチューなのかなぁ・・・。そこでグ牡蠣ドリアに入れてみましたが、干しても、洋風のホワイトソースやチーズでも、あの独特の土臭さが消えることはありませんでした。
 残念ながら、我が家では食材としてのムラサキシメジは受け入れ難そうです。