カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 昨秋から、毎朝のコーヒードリップ用に、“湧水の街まつもと”の恵みで一番有名な「源智の井戸」の水を毎週汲みに行っています(地元の方々が定期的に井戸を清掃されていますので、タダで頂くのも申し訳なく、井戸の横の小さな祠に毎回お礼のお賽銭を入れてお参りをしています)。

 ドリップ用のコーヒーの粉は以前からのまま(一般的な市販のモカ)で、水を変えた途端、味が劇的に変化したのは以前お伝えした通りなのですが、ほぼ1年経ち、使っていたコーヒーメーカーが故障してしまいました。家内曰く、
 「もう5年くらい毎日使ったんだから、きっと寿命ヨ!」
とのことですが、何となく井戸水に変えたこの1年間で急速に故障がちになった様な気がします。
実際、チェックしてみると注水口などに白い粉が固まっていました。恐らく、ミネラル分のカルシウムが固まって付着したのだと思います。そのため目詰まりして、水流が細くなったのではと推測。実際、コーヒーメーカーでは水道水以外は使用禁止としている機種が殆どです。従って、ミネラルウォーターも本当はダメということでしょう。ネジを緩め、出来る所まで分解して、工具でカルシウムを除去してみましたが、結局あまり効果はありませんでした。
 硬水主体の欧州に対し、我が国の生活水の8割が軟水と云われている中で、源智の井戸は市内の湧水中でも珍しい硬度140という「中硬水」(100以下が軟水、300以上が硬水)で、カルシウムやマグネシウムと云ったミネラル分が豊富(硬度は炭酸カルシウムCaCO3 の濃度で表されます)。因みに、「西堀の井戸」は硬度100の軟水です(以下、第1040&1101話を参照ください)。
従って、本来は「源智の井戸」の水はコーヒーメーカーには使用してはいけない様なのですが(機械に頼らず、自分でドリップする分には問題無いでしょう)、しかし、あの“劇的な味の変化”を知ってしまった後は、カルキ臭の残る水道水(松本の水道水は美味しいと思いますが)に戻ることは考えられません。
そこで家内ではありませんが、5年も使ったなら寿命と割り切って、コーヒーメーカーを買い替えることにしました。
 家電量販に行って見ると、最近の主流はCMでもお馴染のカプセルタイプの様で、そうでないものも、エスプレッソなども抽出可能な高機能タイプ。我が家のようにドリップだけと云うのは最早亜流になり、一番安ければ3000円程度。我が家の様に保温タイプでも5千円~7千円。そこで、軟水の日本では無く、硬水の欧州メーカーなら多少は良いかもと(勝手に)推測して、メリタにしました(メリタはドイツ発祥。ペーパーフィルターの生みの親。因みに、よく似た名称のカリタは日本のメーカーです)。但し、メリタを含め、やはりどの機種も水道水以外は使用禁止で、最近の殆どの機種がカルキ除去機能も付いています。

 ミネラルウォーターを使い続ける以上、カルシウムは徐々に付着していくのは避けられないと思います。従って、水道水を使うよりも寿命は遥かに短いのかもしれません。しかし、例えそうだとしても(そのデメリットを理解した上で)、あの「源智の井戸」の美味しさを知った以上は水道水には戻れないと納得しています。