カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 昔、上諏訪駅近くの並木通りにあった『ハルピンラーメン』。
当時から繁盛店で、シンガポールから帰任してみると、諏訪のインター近くに拡張移転していて、残念ながらその後は食べる機会がなくなってしまいました。
 昔の一時期でしたが、松本駅前にも小さな支店があって、一度家内を連れていったところ、肝心の味よりも油まみれのカウンターに「もうハルピンには二度と来ない!」と冷たく絶好宣言。以来、どんなに誘ってもダメで諦めていました。その味も必ずしもお好みではなかった由。

 醤油とも味噌とも違う、ニンニクが良く効いた甘辛の独特の熟成スープと大きなチャーシュー。あぁ、旨かった(筈です)よなぁ・・・と私メにとっては“幻のラーメン”でした。

 先日、家内が茅野の実家で午後用事があり、夕刻まで掛かりそうとのこと。車で上諏訪まで来ると時間の無駄なので、電車で一駅の茅野駅で待ち合わせ。すると、「どこかで食べて行こうか?」ということで、茅野や諏訪の有名店(例えば、茅野の「から木」は事前予約が無いと無理ですが、下諏訪の鰻の老舗「小林」が諏訪インター近くに出店しています)を幾つか挙げるも、緊縮財政とかで全て却下!「ホンじゃあ、ラーメンくらいしか無かと!」。そう言えば、インター近くには博多ラーメンの「一風堂」もありました。
そこで、豚骨系はお好みではなく、また「麺屋さくら」は行ったばかりだったので、恐る恐る「ハルピン」の名を出したところ、「行ってもイイわよ」との思いもかけぬご発言。「うっそー!?」
では、早速気が変わらぬ内にと車で向かうことに。インター近くの諏訪市中洲通りの飯島に移転先の店があります(下諏訪にも支店があるのですが、職場のメンバーの話では、メニューが少々異なるので、「行くなら絶対に中州です!」とのこと)。
聞けば、“未だに”(感心しますが)定期的に集まっている女子高時代の4人組の“会合”(所謂女子会でしょうか?)の中で、「諏訪のラーメンではハルピンがイチバン!」と勧められたからとのこと。
「ホウ・・・ヒトの言うことは聞かぬのに、友達の言うことは聞くんだ・・・」
持つべきモノは友ですなぁ。
「だって、友達には下心が無いもの」・・・ふ~ん、ナルホドですなぁ。
確かに、何とかハルピンに食べに行こうと手を変え品を変え画策しましたもの(全く効果はありませんでしたが)。
 
 水曜日の夕刻7時頃でしたが、行列覚悟で行ったら予想外に空いていてすぐに座れました。L字のカウンター席ばかりで、15席弱ほどでしょうか。窓側には椅子がずらっと並んでいますので、混む時は店内で行列待ちの筈。

 注文は、王道のハルピンラーメンの大盛りと普通盛りに、餃子一人前。
ニンニクをベースに何年も寝かせて熟成させたという秘伝のタレとか。トッピングは、モヤシとシナチクに海苔(味玉は別オーダー)。そしてモモ肉を使った大きなチャーシューですが、昔はもっと大きかった(イメージでは倍の大きさ)ですね。
最初のスープの一口は魚介系の味がしましたが、懐かしい甘辛い独特のスープで、見た目ほどこってりではありません。腰のある細い縮れ麺に良く絡みます。久し振りの味ですが、並木にあった頃(と言っても四半世紀近くも前ですが)とは、何となくホンの一味ですが、何かが違うような・・・。もしかしたら昔はいつも飲んだ後に食べていたせいかもしれませんし、上手く言えないのですが、もう少しスープが“尖って”いて、良い意味でもう一癖あったような気がします。
でも、久し振りで美味しかったです。スープまでしっかりと完食しました。

 家内は、スープが塩辛過ぎて、「麺屋さくら」のあっさり醤油系の屋台ラーメンの方が好みだそうです。やっぱり!もう来れないかも・・・?
でも、ネットから取り寄せも可能との事ですので、今度は家で作ってみようかな。

 ハルピンラーメン・・・終戦で満州から引き上げて来られたご夫婦が、諏訪の街で屋台を引いて始めたラーメン。その味に感激した町の素封家婦人が出資をして、並木に店を出したのが始まりとか。
ご夫婦には跡継ぎが無く、別の人に店を譲り、移転したのが現在のハルピン。でも、その際一つだけレシピの調味料を教えなかったという真(まこと)しやかな噂、“伝説”があります。
昔とスープが少し違わない?という疑問を、恐らく正当化するために勝手に一人歩きした話でしょうし、実際は実の息子さん(お孫さん?)等がやってらっしゃるのかもしれませんし、その真偽の程は・・・???
でもさぁ、何となく昔と一味違わない?